「あのさあ、兄さん知ってる? ダンピールでもその気になれば相手を吸血鬼にできるんだよ。良かったね。これでボクも兄さんと一緒に生きられる」
「アル。……し、知らないと思うが、吸血鬼の吸血には食事の他に…………せ、せせせ性行為の意味合いがあってだな……」
「あはは。勿論知ってるよ。ボクが吸血鬼になったら今度はボクが兄さんの血を吸わせてもらうからね。今から楽しみ」
「アルフォンスッ……」
「いっそヤリながら吸い合うっていうのはどう? 究極っぽくない?」
含みのある眼差しに見下ろされ、エドワードはこれは誰だ?と思った。
「ギャーーッ! アルが壊れたーっ」
「あははは。ボクはもう二十四歳だよ。恋もタバコもセックスもお酒もみんな経験済みだよ。………兄さんは十五歳か。これって犯罪ぽくない?」
「これアルじゃない、オレのアルじゃないよーっ」
「春になったら師匠に会いに行こうね。師匠が兄さんを手ぐすね引いて待ってるよ」
「殺される!」
「大丈夫、吸血鬼は不死身だから死なないよ」
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